日別アーカイブ: 2014年6月6日

フランス旅行記5日目 その2

今日も満腹で午後のヴィジット突入。

ランスの北にあるグー村のジェローム プレヴォーです。

前回彼が来日した時に、私が以前働いていた

カーヴ デ ヴィーニュに来店して頂いた事も有りお会いするのは2度目。

まずは今回も畑へ。トラクターに乗り木と木の間の土を起こしている最中でした。

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全部で2ヘクタールしかない畑は、1畝200メートルも有り、丁度200m×100mの畑。

端からでは終わりが見えません。シャンパーニュではあるのかも知れませんが

ブルゴーニュではこんなに長い畝は見た事無いです。

シャンパーニュの歴史から畑に対する考え方、クローンの種類

レ ベギーヌの土壌構成等、色々お話し聞きましたが

正直通訳して頂いているにも関わらず、私キャパ越え思考停止。

畑にいる時間が今回伺った生産者の中で1番長かった。ガンガン日焼けです。

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次はカーヴで13年を樽からと瓶から何本か試飲。

同じ年、同じ区画から作られたワインでも樽によって個性が全く違う。

樽付きの酵母があるらしい。樽を洗浄する時もSO2は全く使わないみたいです。

正直この手の造り手さんは不安定な要素が何処か感じられるのですが

プレヴォーのワインにはそれが全く無い。

醸造コンサルタントに1度も世話になったことが無く

当然、数値を分析所に解析してもらったことも無いと。

何なんでしょー。ただ、何の根拠も無く自然にしとけば出来るんだ的な

いい加減な事は無く、聞けば全て納得できる形で返してくれる

1ソムリエがどうこう言うレヴェルでは無いです。黙って聞く。

もっと真剣に、より丁寧にサーヴィスしなくてはと

心から感じさせてくれる造り手でした。

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来た時も帰る時も同じ鉢植えの上で

眠そうに座っていたプレヴォーの猫。モーザック。

ゴロゴロしてきて人懐っこい。ムチャクチャかわいかった。

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夜はプレヴォー夫妻と共にランスの三ツ星レストラン

ラシェット シャンプノワーズ(L’assiette Champenoise)へ。

私勉強不足で、今年から三ツ星になったらしいのですが知りませんでした。

勝手に名前の響きだけでビストロだと思い込んでいてすみません…

いやー知らないって罪ですね。でも時に最強。

ジェロームは畑やカーヴにいた時とは打って変わって

悪ガキの様なジョークをかまして来る陽気なオッチャンに変貌。

お酒の力では無くレストランに来て最初からです。

前回日本で会った時も陽気な人だったので、本当はこんな人なんだろうと思い

益々好感を持ちました。で、奥様ナースで美人さん。いい夫婦です。

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料理は流石に美味いです!今っぽい技術も取り入れながら

クラシックな要素も有り。今回は9人という大所帯だったので次回は少人数で。

ワインはジェロームが持って来てくれた

09&10のマグナムボトルと03デュヴァル ルロワのオーテンティス若干ブショネ~

マグナムは20本ずつしか瓶詰して無いので貴重な経験でした。

ホントに感謝感謝でありがとうございます。

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フランス旅行記5日目 その1

名残惜しいですがブルゴーニュを後にする一行は、いざシャンパーニュへ。

早速、高速道路のパーキングで事件発生!グラスが無くやむを得ず

残ったので頂いてきたワインをプラカップで飲んでいたのをFBにアップしたところ

まさかの大バッシング!大至急削除。いやー世知辛い世の中です。悪意はないっす。

さて、午前はオーブ圏にあるヴ―エット&ソルベのベルトラン ゴトローへ。

高速を走ればゆっくり走って2時間で着いてしまう距離です。

1時間も早く着いてしまった一行はゴトローさんの畑を見ながら時間潰し。

わかってはいるのですが、やはりブルゴーニュと比べると剪定が長めです。

そうこうしているうちにゴトローさん到着。

もう1件約束があった様で、オランダの料理人と一緒に畑を案内して頂く事に。

オーヴはシャンパーニュでも南。昔は葡萄畑よりも麦の栽培が盛んだった土地で

シャンパーニュ生産地としての歴史は浅くまだ100年ほどのようです。

おもむろにショベルで畑を堀り、2つの土塊を手に取り香りを嗅げと促す。

たしかに片方は固く匂いは臭くない、片方は非常に柔らかく

ミミズ系の線虫がいっぱいで匂いは、たい肥の様で若干臭い。

最初の土は従妹の畑で、もう片方はビオディナミ農法の自分の畑。

ミミズの様な生物が沢山生息出来る畑を作る事によって

土壌が呼吸し、より良く活性化していくのでしょう。

そして、その土壌で葡萄が育ち、その果汁から良いワインが出来る。

非常に分かり易い形で栽培方法の違いによる土壌の変化を感じさせて頂きました。

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畑を後にしセラーの方へ。

プレパラシオンの水を攪拌する装置や木製のプレソワールなどを見ながら

今度は葡萄の根がはるシステムを解説。

要は、化学肥料を使うと根は栄養が表土から十分に得られる為

横に広がってしまい、せっかくの何層にも構成された土壌の養分を吸収出来ず

薄っぺらで複雑性の無いワインになってしまうという事。

それを、2本の死んでしまい掘り起こした葡萄の木でレクチャー。

明らかに1本は地表に沿って根が伸び、1本は土壌深くに根を下ろしています。

でも、この横に広がってる根は従妹の……はいビンゴです!色んな意味で酷い。

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プレスしたジュースをタンクに落としデブルバージュ(大きな澱引き?)して

そのまま樽に落とす工程を、ポンプを使う事による無駄な力を加えず

高低差を付けた配置にし重力の力で樽まで移動させる造り。

面白い!良く出来てるな~と思いました。(下の写真)分かり辛くてすみません…

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私は正直、醸造学校を出た訳でも農大の醸造学科出身でもないので

その手のスペシャリストではございませんが

デゴルジュマンの際に取り除く澱を取って置き

その澱に糖を与えて復活させた酵母を瓶内二次発酵に使うという話は

非常に興味深かったです。澱って酵母の死骸なんですよね?

でも確かに時間差でペティヤン化するワインありますし。

ゴトローさんが教科書を信じるなと言ってました。

教科書読んで無い私ですが、いい事言うわこの人。

最後に2002年の市場には出ていないミレジメを飲ませて頂き

嬉しかったな~。セロスのこっくり感を思い出しました。

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さて、非常に充実したヴィジットを終えた私達は昼食をとる為に

ゴトロ氏お薦めの高速入口近くにある ル ヴァル モレ(Le Val Moret)で

またアンデュイエット食べちゃいました。しかも5A。

美味いな~今度うちのシェフに作ってもらおう。

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